女の子に比べると男の子の洋服選びはカンタン。
そんなふうに思っているママもいらっしゃると思います。
しかし戦隊モノや格闘技など、カッコよさに憧れるようになると男の子は、
大人なら赤面モノのポーズをとるようになりますし、
おもちゃも女の子のカワイらしさとは一線を画す車やエアガンなどへと興味が移り、
そして一番身近なカッコいい存在であるパパに目がいくものです。
そしてそのパパが、
仕事に行くときにスーツやジャケットをまとったりしていたら、もう大変です。
すべての男の子がそうではありませんが、ジャケットとネクタイ、
または蝶ネクタイになぜか男の子は目を奪われてしまうんですよね。
「僕もパパと同じ格好がいい!」
とパパのジャケットやスーツの上着を着たいと駄々をこね、
それをまとってダブダブの姿を鏡で見て喜んでくれればカワイイもの。
しかし、、、私の経験ではそれにとどまらず、
「僕もパパと同じ服が着たい!」という自己主張がはじまります。
さすがに子どもの普段服にスーツやジャケットはどうかな…
でもそこまで欲しいというなら、子どもの気持ちに応えてあげたい…
こんなママやパパも結構いらっしゃると思うのです。
そこで今日は、私の体験談から男の子がいかに
パパとのリンクコーデに興味を持ったのかをお伝えし、
「パパと一緒がいい」を叶えつつ、
普段遣いもできるリンクコーデを紹介したいと思います。
カッコよさへの憧れ、その理由はパパ
妹の結婚式のために長男次男の服装を考えていたところ、
普段なかなか着ない和装もいいかな、と個人的には思いました。
長男は7歳、次男は4歳でしたから、2人揃って和装もなかなかカワイイですし、
幼い頃ってホントに一瞬なので、カワイらしい男の子であるうちに、
写真やビデオをたくさん残しておきたいと思ったのです。
そうはいっても結婚式はすぐそこに迫っていましたし、
1日の結婚式のために和装を購入するのはちょっと勇気が必要。
そこで実家の母に相談して、和装のレンタルを試してみることにしたのです。
レンタル屋さんに問い合わせると、
カタログを送りますのでそこから希望のものを選んでもらえますか?とのこと。
数日後に早速送られてきたカタログは、和装からスーツなどの洋装まで、
どれもコレもカワイらしいものばかりで親の私自身目移りしてしまうほどでした。
どれにしようか悩んでいるとき、長男と次男が一緒に「何しているの?」とやってきます。
そこで2人に、「結婚式で着ていく服を選んでいるの」と伝えました。
すると興味を持ったのか、ダイニングテーブルに座って一緒にカタログを眺めだしたので、
ちょっと飲み物でもつくろうかなと私はキッチンへ。
後ろでは長男も次男も何やら話しながら、カタログを楽しんでいる様子が伝わってきます。
そして3人分の飲み物を用意しダイニングテーブルに戻り、
2人にどんな和装が好きかを聞いてみることにしたのです。
すると2人は声を揃えて…
「コレがいい!」
と、なんとページをめくって指差したのはタキシード。
え、、、和装がいいと思ったのに、、、まさかのタキシードとは。
私の中では親子で和装というイメージができあがっており、
親族一同として皆で和装ってなかなかカワイイ、と思っていたので、、、
なんとか2人に「こっちの着物、袴はどう?サムライみたいでカッコいいと思うよ」
と伝えるものの、、、
「僕たちもパパと同じ格好がいい!」
僕もパパと同じがいい
もう取り付く島もないほど、2人ともタキシードを着るんだと目を輝かせています。
もちろんパパは普段からタキシードを着ているわけではなく、
ネイビーやチャコールグレーなど、ダーク系のスーツを仕事できているわけですが、
子どもたちにしてみたら、タキシードも同じに見えるんですよね。
和装もいいよとカタログをめくっては長男次男にアピールしてみるものの、
2人ともどうやら気分は、『007』のジェームズ・ボンド、
あのトム・フォードをカッコよく着こなすダニエル・クレイグなんですよね。
タイトなスーツに身を包み、そして銃を出してポーズを取る。
長男次男が観たかどうかわかりませんが、
『カジノ・ロワイヤル』なんて観せたら、
もうなりきっちゃうこと間違い無しの勢いです。
普段は洋服選びにそれほど関心を示さなかった2人だけれども、
ココまでコレを期待、「パパと同じがいい」と主張するのであればということで、
2人の希望を叶えてタキシードを借りることにしました。
結婚式当日は予想通りに2人ともはしゃいでしまって、、、いい思い出です。
以来、ママの悩みは服選び
それからというもの、服を買いに行こうとすると2人とも
「僕も一緒に行く」と私についてくるようになりました。
そうです、タキシードを着て以来、カッコいい装いに目覚めてしまったんですね。
ショップを通りかかるたびにディスプレイされているタキシードやジャケット、
スーツを目で追うようになり、
「僕はコレが好きだな」とカワイイんだけれども子どもらしくないことを言います。
ああ、何も言わずに私が買ってくるカワイイ服を着てくれることに、
胸がキュンキュンしていたのに、、、もうあの頃は戻ってこないのでしょうか。
買い物に行くと必ずと言っていいほど、「このジャケットがほしい!」と言いますが、
さすがにそれは幼稚園や小学校に来ていけないから別のものにしようねと2人を説得します。
もうちょっと、子ども服でも普段遣いできるジャケットっぽいものがあると、
そんなに悩まないのだけれども、なかなかないのが実情なんですよね。
しかし子ども服のジャケットは…
タキシードをレンタルしたときは、
子どもでもかなり豊富なサイズが用意されていたのですが、
いざ買ってあげようかなとなると、子ども服のジャケットやスーツってサイズがないんです。
まあ冷静に考えれば、外で遊ぶことが大好きな年頃ですから、
動きやすい格好が一番なんですけれど、長男次男のようにカッコよさに目覚めてそれがジャケットやスーツである場合、どうすればいいのか悩むところ。
洋服屋さんに聞いてみると、
子ども服のジャケットやスーツはサイズもそうですが縫製も難しいようで、
なかなか縫製まで扱っている工場がないと。
しかしそれで大人は納得しても、納得しないのが子どもですし、
親としてはできるだけ子どもの主張にきちんと応えてあげたいところだと思うんです。
そこでふと思いついたのは、テーラーさんでオーダーしてみたらどうだろう、
というものでした。
パパが行きつけのお店でオーダーする際に、長男次男も一緒に連れて行って、
できるかどうか聞いてみたらいいのかな、と考えたのです。
おやコーデにチャレンジ
長男次男にパパと一緒にジャケットをつくってみる?と聞くと、
間髪入れずに「つくる!」と破顔一笑。
こうなったら多少値は張るけれど、
どうせ着るなら気に入ったものを大切に来て欲しいと考え、
パパと一緒にジャケットをオーダーすることに。
せっかくパパと一緒なのだから、リンクコーデでつくるといいかもなんて考えて、
いざ「おやコーデ」にチャレンジ。
パパはともかく、長男次男に任せると、
またタキシードみたいなものをつくってと言いそうだったので、
フィッターさんに「パパとのリンクコーデとできるだけ普段遣いできるジャケットが希望です」とそっと伝えておきました。
するとフィッターさんはいくつか生地の見本を見せてくれて、
「コレなら生地の伸縮性もありますし、
柄もデニムの半ズボンやコットンのパンツにも合わせやすいですから、
普段遣いしやすいと思いますよ」と提案。
パパと長男次男に見せると、その生地のカッコよさに満足したのか、
「コレでつくりたい!」とまたまた破顔一笑。
ここまで喜んでくれるなら、たまにはつくってあげたいと思いますし、
普段着として着るのもいいけれど、誕生日や結婚記念日などは外食して、
家族でおめかしする機会を作ってもいいかな、と思ったり。
4週間ほどしてオーダーしたジャケットが完成すると、
長男次男ともに喜んで袖に腕を通し、早速ポーズをとって写真をせがみます。
ジャケットはサイズの違いだけでパパと同じに仕立ててくれたので、
長男次男も自分たちのジャケットとパパのジャケットを見比べては、
「パパと同じ」と顔がほころんでいます。
そんな光景を前に、私の胸はキュンキュンしっぱなしです。
最後に
男の子なら一度は、「パパと同じがいい」とパパの姿に憧れるもの。
ママとしては幼い頃はカワイイままでいて欲しいと思うものですが、
カッコよさに目覚めるというのもうれしいものなのだな、と私は感じました。
気に入ったものを身にまとうというのは、個人的な見解ではあるけれど、
子どもの情操を養う効果もあるのかなと感じています。
生地の肌触りに興味を持って、
「今度は柔らかい、パジャマのような生地がいいかな」なんて言ったり、
「空の色みたいに明るいブルーを着てみたい」なんて言ってみたり。
オーダーは子どもには早いと思ったものの、
フィッターさんとのやりとり、コミュニケーションでは新しい世界が広がるようで、
採寸にも興味を持ち、ネクタイの締め方まで興味を持って教えてもらっていました。
ママとしては子どもの成長はうれしくもあり寂しくもあるものですが、
やっぱりたくましく成長しているなと感じると、喜びもひとしおだと思います。
そう考えると、子どもの服選びが大変なんて、成長の証ですし、うれしいものなんだなぁ。
そんなことを思った「おやコーデ」体験でした。
カッコよさに目覚めた男の子のママやパパの参考になりますよう。
(筆者注:写真は「おやコーデ」のお客様から了承を得て掲載しています)